2019年10月1日に満を持して発表されたGoPro HERO8。
昨年のHERO7発表時におけるHyperSmoothの強力な手振れ補正のインパクトはいまだ記憶に新しい。
今年発表されたHERO8にはそれをさらに上回るバージョン2.0、さらに強力なブーストモードが登場した。
この記事では、HERO8のHyperSmooth 2.0ならびにブーストモードの設定とその使い方を解説したい。
HyperSmooth(ハイパースムーズ)とは?
はじめに、おさらいとしてHyperSmoothについて説明したい。
HyperSmoothは「ジンバル並みの安定化機能」と呼ばれるGoPro独自の手振れ補正機能で、揺れを修正して非常になめらかなプロ仕様の映像を実現してくれる機能のこと。HERO7で初めて搭載された。
HERO8のHyperSmoothはさらに進化してバージョン2.0となった。さらに強力な手ぶれ補正は「ブースト」モードと呼ばれている。
HyperSmooth 2.0の設定ごとの違いは、こちらの動画で検証したのでご覧いただきたい。
HyperSmooth 2.0とブーストの特徴
HERO7時代のHyperSmoothはスローモーションモード(高フレームレート)にした時にオンにできない設定だったが、HERO8からはHyperSmoothがどのフレームレートでも使用できるようになった点が大きな進化。
HyperSmoothを使用すると映像がクロップ(切り取られてズームしたように見える)される。従来のHyperSmoothでは10%程度クロップされるが、HyperSmooth 2.0「ハイ」モードでは同じく10%のクロップにとどまっている。
普通手ぶれ補正をする場合、クロップ率が大きいほど手ぶれ補整が強くなるが、HERO8のHyperSmooth2.0ではクロップ率は従来の10%と同じなのにさらに強力な手ぶれ補正を実現しているところが素晴らしい。
HyperSmoothブーストはさらに手ぶれ補正が強いため、クロップ率は約20%になっている。
HyperSmooth 2.0の設定
HERO8のHyperSmooth 2.0は以下の4つの安定化レベルが選べる。
- ブースト(最大の手ぶれ補正)
- 高(HyperSmooth 2.0の新機能)
- オン(HERO7と同じHyperSmooth)
- オフ
HERO7ではHyperSmoothを利用できるモードが限られていたが、HERO8からはどのフレームレートでもオンにできると発表された。
ただし、4K 60fpsで「リニア」モードで撮影するときだけはHyperSmoothが使用できないことに注意したい。この場合、標準的なビデオ安定化機能となる。
HyperSmooth 2.0の使用例とシチュエーション
基本的に、HyperSmoothは「高」モードで使用したい。なぜなら先ほど説明した通り、最小限のクロップ率で、より強力な手ぶれ補正を得られるからだ。個人的にはHERO8では「オン」(HERO7と同じHyperSmooth)を利用する場面はほぼないと考えている。
HyperSmooth「ブースト」もどんどん使いたいところだが、クロップ率が大きくズームされてしまうため注意が必要だ。具体的には、誰か他の人を追いかけながら撮影する場合や、スポーツなどの激しいアクションを伴う場合に使用するとその効果を存分に発揮できるだろう。
最後に
HERO7でHyperSmoothが発表されたとき、これ以上の手ぶれ補正はないと思うほど映像が安定していた。
しかし、HERO8のHyperSmooth 2.0の登場で、さらに強力な手ぶれ補正が追加されたことは多くの人を驚かせたに違いない。
HyperSmooth 2.0は「高」か「ブースト」にすれば、誰でもプロが撮影したようななめらかな映像が撮れる。
参考記事
『GoPro完全ガイド』
GoPro HERO8のTimeWarp 2.0の使い方と新しくなった3つのポイント