金獅子賞受賞『ROMA/ローマ』を観た感想(アルフォンソ・キュアロン監督、Netflix 2018年)

Netflix配給アルフォンソ・キュアロン監督『ROMA/ローマ』(2018年)を公開早々に観たのでレビューしてみたい。

ROMA/ローマとは

政治的混乱に揺れていた1970年代のメキシコを舞台に、ある家族の生活と階級社会の姿を鮮やかに、そして感情豊かに描いたアルフォンソ・キュアロン監督作品。

Netflix

監督のアルフォンソ・キュアロンは1961年メキシコ出身。今年で57歳。

「ローマ」とは、舞台となるメキシコ・シティのローマ地区のことを指すだろう。

感想

終始、淡々と描かれるシーン。感情や説明の描写もあっさりとしている。

モノクロの映像や、当時のメキシコ・シティの町並みを再現していて、リアルに感じる。

犬や飛行機が繰り返し登場し、何かを連想させそうになるが、そんな時に印象的な場面展開が起きて、視聴者をストーリー展開に引き込んでいく。

最後まで見て思うのは同監督の2001年作品『天国の口、終りの楽園。』だ。どちらも監督の育った時代やメキシコの場所を描いている。その意味で『ROMA/ローマ』は『天国の口、終りの楽園。』に通じる過去への視線がある。

またこの作品でも「母」なる女性像が描かれていた。男たちは不倫したり政治活動に没頭している一方。

主人公の召使いクレオの悲哀を描くのかなと最初は思っていたが、そういうわけでもない。わりと淡々と日常を描いていく。

久しぶりにエンタメ映画ではない、しみる映画を観た気がする。

2時間15分のあいだに展開していく人間性。

監督自身の過去が表現されているが、その映像からは母や人間性といった万国共通の感情に視聴者は引き込まれていく。

最後に

『バスターのバラード』(コーエン兄弟、2018年)の記事でも書いたが、やはりこんな堂々とした映画をNetflix配給することにしたNetflixや映画監督にまだ驚かされる。

そして第75回ベネチア国際映画祭において、『ROMA/ローマ』は最高賞にあたる金獅子賞を、『バスターのバラード』は最優秀脚本賞を受賞している。

エンタメ作品ではない作家主義的な映画作品ですらNetflixが配給する時代。新作映画をテレビやタブレットなどで観る時代なのだと痛感する。

Netflixユーザーのみならず、映画ファンには見て欲しい映画だ。

ROMA/ローマ | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

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