先日、キヤノンのAPS-C機からフルサイズミラーレスカメラに買い替えた。
フルサイズカメラを購入する際に、APS-Cと比較して何が違うかは理解できたが、どの程度良くなるか不明で、フルサイズカメラを購入するのを迷っていた。
この記事では、実際にAPS-Cとフルサイズカメラを使用し、同じ撮影設定でどういう違いが出るか検証してみたので、APS-Cとフルサイズカメラのどちらにするか悩んでいる人の参考になれば幸いである。
フルサイズセンサーのメリット
まず最初に、APS-Cセンサーと比べた場合のフルサイズセンサーのメリットを上げたい。
- ボケ量が大きい
- 階調表現が豊か(ダイナミックレンジが広い)
- ノイズが少なく暗所撮影に強い
センサーサイズが大きいと、単純に取り込む光の量が大きくなり、このようなメリットが生まれる。
APS-Cとフルサイズセンサーの大きさを比べてみると下図のようにかなり違いがあることが見てとれる。
ではこのセンサーサイズの違いが、実際の撮影においてどの程度表れてくるかは実際に撮影してみないことにはわからないので、実写比較をしてみた。
実写して比較
キヤノンのAPS-Cデジタル一眼レフとフルサイズミラーレスカメラを使用して比較した。
- Canon EOS Kiss X9(APS-C)
- Canon EOS RP(フルサイズ)
まず1枚目の比較は、机の上に置いた小物を撮影したこちらの写真。
ぱっと見でAPS-Cかフルサイズかを見分けるのは難しいが、見比べるとその差がわかるかと思う。
この写真を比べてわかるのは、フルサイズ機の方がボケ量が大きいことだ(特長1)。
続いて日没直後に撮影したこちらの写真。空は暗くなりかけているが真っ暗闇ではない微妙な時間帯。
APS-Cで撮影した写真に比べるとフルサイズの方が空のグラデーションが出ていて階調の表現が豊かに見える(特長2)。
APS-Cセンサーの方は空が1色の単調な印象を受ける。
最後は同じく夕暮れに撮影したこちらの写真。F4まで絞って撮影したため、ISOが6400と高くなっている。APS-C機で撮影した写真では高感度撮影によくあるノイズが目立つ結果となった。
一方でフルサイズで撮影した方はノイズが少なく(特徴3)、空の階調表現も豊かだ(特徴2)。
結論
以上のように、APS-C機と実写比較することでフルサイズの特徴を実際に見ることができ、どの程度の差があるのかがわかった。
問題は、この差をフルサイズカメラを買うのに十分だと言い切れるかどうかである。
私はすでにフルサイズを購入して画質以外にも操作性やミラーレスにしたことで小型・軽量化できたので満足している。
しかし、思ったほどの差はないというのが率直な感想であり、フルサイズの方が圧倒的に良いという気はしない。むしろAPS-C機のコストパフォーマンスやレンズ次第ではAPS-Cセンサーカメラの方がお得だとすら思っている。
とはいえ、フルサイズ機の方が全般的な性能が間違いなく上がるため、フルサイズ機を購入する検討をしている人は可能ならフルサイズを購入することをおすすめしたい。
私自身、APS-Cカメラからフルサイズカメラにアップグレードして、間違いなく画質や操作性がアップしたと日々実感している。
APS-Cとフルサイズで悩んでいる人の参考になればうれしい。