ピクサー映画『リメンバー・ミー』は、日本では2018年3月に上映された。
映画の舞台となったメキシコでは、世界に先駆けて2017年11月1日の「死者の日」の直前、10月27日に上映開始となった。
私は2017年10月から11月にかけてメキシコに滞在していたため、映画で「死者の日」の世界観を楽しんだあと、すぐに本場の「死者の日」を経験することができた。
「死者の日」とは
毎年11月1日に行われ、家族や友人達が集い、故人への思いを馳せて語り合う日。日本でいうところの「お盆」である。ハロウィン(10月31日)ともルーツは同じだと考えられている。
ちなみに、「死者の日」を舞台にした小説『火山の下』は世界文学の名作として名を残している。(青春時代の強烈な読書体験をもとにおすすめする15冊の世界文学)
「死者の日」を実際に見た感想
ドクロの化粧、ド派手な祭壇、音楽とダンス、ぶらさがるバナナ……。
あらゆるものが登場し、死者も生者も入り乱れて踊りだす。花も果物も骸骨も、黄色も橙色も青色も、みんないっしょに混ざりあう。
悲しさも、楽しさも、ぜんぶまとめてやってくる。
結局、「死者の日」はなんなのかと聞かれたら、「生きていることを実感する日」と答えたい。
メキシコ旅行を計画している人は、せっかくなら「死者の日」に行ってみるといいかもしれない。
これらの日々の間、静かなメキシコ人は口笛を吹き、叫び、歌い、爆竹をならして、ピストルを空中に乱射する。彼らは自分の魂を発射するのである。(中略)大切なことは外へ出て、自らの道を開き、騒音と群衆と色彩に酔うことである。メキシコは祭の最中にある。オクタビオ・パス『孤独の迷宮』
参考リンク:死者の日 (メキシコ) – Wikipedia