クリエイティブな人に共通する10の習慣+やるべき18のこと『FUTURE INTELLIGENCE』書評

『FUTURE INTELLIGENCE これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣』スコット・バリー・カウフマン、キャロリン・グレゴワール共著を読んだ。

正直な感想は、寄せ集め的な文章で、期待外れな印象を受けた。もっと創造性を刺激するような本だと思っていたが、真面目にクリエイティブな偉人の共通点を拾い集めたような本である。

この類の本では、『天才たちの日課』に近い。『天才たちの日課』はたくさんの天才に焦点を当てて、数ページを割いて一人ずつの天才の生活を掘り下げていた。そのため、いろいろな天才の生き方を読む愉しみがあった。(書評はこちら

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今回読んだ『FUTURE INTELLIGENCE』は、「10の習慣」に関するクリエイティブな人物の発言や、研究成果を集めて理論武装する感じだった。以下で紹介するブログ記事を「エビデンス」で理論武装して肉付けしたようなスタイルだ。

「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣

第1章 遊び――楽しいことで脳を刺激する
第2章 情熱――何かに夢中になる
第3章 夢想――自分と深くつながる
第4章 孤独――ひとりの時間で考える
第5章 直感――無意識の声を聞く
第6章 好奇心――非日常の体験で限界を広げる
第7章 瞑想――観察し、点と点をつなげる
第8章 繊細――傷つきながら、深く感動する
第9章 逆境――辛い体験で成長する
第10章 異端――アウトサイダーでいる

この目次を見ていただくとわかると思うが、前半は特によく聞くような話ばかりで予定調和で退屈だった。クリエイティブとは程遠い内容。

しかし、最終章で「異端」をおいたところからこの本はぐっと面白くなる。クリエイティブな人は、異端(アウトサイダー)である必要性があると語られる。

独創的なアイデアを生むカギとなるのは、これまでと違う考え方をしようとする意欲、過激で不人気なアイデアを探求しようとする意欲、多くの人が苦労ばかり多く、益が少ないと見なすようなタスクをこなす意欲なのだ。

第10章 異端――アウトサイダーでいる

ここから著者のまとめが展開していく。曰く、

クリエイティブであることは芸術などを生み出すだけでなく、人が困難に直面したときに打開する力となる。しかし現代の社会では、「標準テストを使ったうわべだけの学力評価を重んじ」、「受動的な消費を良しとして」子供たちの創造性を衰えさせているという。クリエイティブ思考の人に共通するのは複雑性であり、多面性であるのだから、「自らの多面性を認め、そのまま受け入れる能力」こそがクリエイティブ思考には不可欠だと結ぶ。

この最終章だけでもぜひ一読頂きたい。こういうふうに社会通説的には否定的にしか語られない「異端」という特質について、創造性の側面から語り、そして現代社会への提唱と進めていくあたりはアメリカの作家らしい気概にあふれている。日本の学者が語るとこういう内容にはならない。

創造性の高い人がやっている 18 のこと

本書のはじめに、この本は2014年3月、共著者キャロリンが執筆した『ハフィントンポスト』の記事「創造性の高い人がやっている 18 のこと」 を下地にしているとあった。

しかしネットを探しても日本語では情報がなかった。

そこで、今回はその英語版の原文記事から「創造性の高い人がやっている 18 のこと」をご紹介したい。

彼らは空想します。
彼らはすべてを観察します。
彼らは彼らのために働く時間を働いています。
彼らは孤独のために時間をかけます
彼らは人生の障害を逆転させます。
彼らは新しい経験を求めています。
彼らは「失敗する」。
彼らは大きな質問をします。
彼らは人々を見る。
彼らはリスクを取ります。
彼らは人生のすべてを自己表現の機会と見ています。
彼らは真の情熱に従います。
彼らは自分の頭から抜け出します。
彼らは時間を忘れてしまいます。
彼らは美しさに身を包みます。
彼らはドットを接続します。
彼らは常に物事を揺さぶる。
彼らはマインドフルネスのための時間を作ります。

18 Things Highly Creative People Do Differently
Google翻訳を使用

『FUTURE INTELLIGENCE』を読んだ人は、ぜひこちらの原文も合わせて読むと良いかもしれない。

最後に

原題は “Wired to Create: Unraveling the Mysteries of the Creative Mind”である。

なぜ日本語タイトル『FUTURE INTELLIGENCE』になったのか。future(未来)もintelligence(知性)も内容を捉えていないと思うのだが。。。

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