DaVinci Resolveの無料版と有料版の違いまとめ

動画編集ソフトDaVinci Resolveの無料版を4年ほど使っている。旅行のときに撮影した動画やYouTubeの動画編集にありがたく使わせてもらっている。

先日、初めて有料の動画編集ソフトを購入した。悩んだすえに決めたのはFinal Cut Proだった。なぜ、有償版のDaVinci ResolveではなくFinal Cut Proを選んだのか?

その理由も含め、無償版のDaVinci Resolveと有料版の違いを比較しながら自分なりの考えを説明してみたい。

無料版と有料版App StoreのDaVinci Resolve

ご存知だとは思うが、DaVinci Resolveには無償版と有償版の2つがある。有償版はDaVinci Resolve Studioと呼ばれ、無償版はDaVinci Resolveというのが正式名称となっている。

DaVinci Resolveは公式ページからダウンロードと購入ができる。さらに、Macユーザー限定だがApp Storeからも無償版と有料版のDaVinci Resolveがダウンロードできる。

ここでご注意いただきたいのは、App StoreでダウンロードできるDaVinci Resolveは有料版と無料版のどちらも一部の機能が制限されていることだ。Macユーザーの方はApp Storeからダウンロードした方が簡単だと思うが、フル機能を利用したいのであれば公式ページで配布されているDaVinci Resolveをダウンロードすることをおすすめしたい。

有償版のDaVinci Resolveにしかない機能

DaVinci Resolve

DaVinci Resolveはあまりに多機能なため、全ての機能を列挙することは不可能だ。

そこで、有料版のDaVinci Resolve Studioにしかない機能を以下に挙げてみた。

  • カメラLUT
  • カメラトラッカー
  • CDL書き出し
  • プロジェクト共有コラボレーション
  • ローカル・リモートでスクリプトを管理できる
  • DaVinci CTL
  • 映像のデ・インターレース
  • H.264エンコードの高速化(ハイスペックNVIDIA GPU)
  • LinuxでのH.264デコーディング
  • HDR諸機能
  • Windows 10とLinux OS上でのHEIFデコーディング
  • HEVCデコーディング
  • High 10プロフィールH.264デコーディング
  • IMFベースのレンダリング
  • 2Kx2KのKakadu JPEG 2000フォーマット書き出し
  • レンズディストーション補正
  • モーションエフェクト
  • 複数映像の処理GPU
  • 複数Red Rockets対応
  • ネットワーク・リモート・ヘッドレス書き出し
  • パワーマスタリング
  • リモートのデータベースサーバー
  • 遠隔グレーディング作業
  • ResolveFX(顔補正、フィルム・グレイン、レンズ・ブラー、レンズ・ディストーション、レンズ・フレア等)
  • Sony XAVCレンダー
  • ノイズリダクション (空間的、時間的)
  • 3Dステレオスコピックツール
  • Linux上でのサードパーティー製MIDIコンパネのサポート
  • UHDより高解像度のタイムラインと書き出し
  • 60fpsより大きいタイムライン
  • VRツールセット

私と同じように趣味で動画編集をしている人にとって、重要だと思われる機能を太字にした。

上記リストはBlackmagic社の公式ステートメントでDaVinci Resolve 15のものとなる。

有料版DaVinci Resolve Studioでしか利用できない機能はこれだけある。

簡単なカット編集だけなら無料版でも問題無い。しかし、UHD 4K(3840 x 2160)よりも大きい8Kなどの動画編集をして書き出しまでやりたい場合は、有料のStudio版を購入する必要がある。

また、プロの映像処理のようなエフェクトを使う予定ならStudio版を選ぶべきだ。ノイズリダクション、HDR機能、FX類など、業務用に映像制作をしてクライアントに納品というようなレベルではこういった仕上げの処理が素人との差として現れてくるからだ。

無償版ユーザーは有償版Studioを購入すべきか?

無料版と有料版の違いを理解した上で、有償版のStudioが必要な人はぜひ購入すべきだ。特に業務用の映像制作に携わる人は、はじめからStudio版を選ぶのも正しい選択だろう。

問題なのは私のように趣味で動画制作をしているユーザーだ。4年間も無償版のDaVinci Resolveを使ってきたが正直不満がない。

そもそも、高度な映像処理や8K編集などは普通のパソコンでは処理能力が追いつかずに処理できない。実際、私が有償版のDaVinci Resolve StudioでなくFinal Cut Proを購入した理由もパソコンのスペックと関係がある。

4K動画編集は無償版のDaVinci Resolveでもできるが、私の古いMacBook Pro 13インチではまともな処理ができない。だがFinal Cut Proなら4Kの動画編集もかなり快適にできてしまう。

私にとって、有償版のDaVinci Resolve Studioでしか使えない機能はあまりにプロ向けすぎる。それに仮に使えたとしてもパソコンのスペックが追いつかないだろう。それよりも、編集作業がサクサクとできて書き出しも速いFinal Cut Proが私には魅力的だった。

有償版のDaVinci Resolve Studioを購入すべき人とは、業務用に映像制作をする人で、なおかつ相応のハイスペックのパソコンを持っている人になりそうだ。

それ以外の人は私を含めて無料版をありがたく使わせて頂こう。

これだけ高機能な動画編集ソフトが無料で使えるなんて、DaVinci Resolveは本当に素晴らしいソフトウェアだと改めて思った次第である。