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動画が色褪せるAppleのガンマシフト問題と解決策

Adobe Premier Pro や DaVinci Resolve をお使いの方で、せっかくカラーグレーディングしたのに、動画を出力して再生したら「色が薄くなった」、「色褪せた」、「コントラストが下がった」と思っている方に向けた記事。

どういうこと?

Macを使って動画編集画面と再生プレイヤーによる見た目(色再現)の違いを並べてみる。

すべて同じ動画ファイルを再生させた結果。

動画編集ソフト(Resolve)とFireFoxでの色表現は意図した通りの表示ができている。しかしApple製ソフトウェアのQuickTime Playerを使うと色褪せてしまう。

サンプルでは用意しなかったが、顔色なんかは明らかに違う表示になる(本来の色は血色が濃くなり、Apple製ソフトウェアを使うと青白い肌になる)。

原因はなんなのか

まわりくどくなるだけなので、結論から書く。

Appleの動画再生は独自のカラーマネジメントが施されるため、動画編集ソフト(Premier Pro や Resolve)でプレビューしているのと同じ色にはならない。

(ディスプレイのカラープロファイルをキャリブレーションすれば一致させられるのだろうが、問題は視聴者=クライアントが複数いる場合、デフォルトのディスプレイ設定では正しく表示されない問題は変わらない)。

Premier ProやResolve(非Apple製のソフトウェア)はApple製のソフトウェアとは違いカラーマネージメント(フィルタ)を通しておらず、「本来の色」が再現できる。出力した動画ファイルも「本来の色」で保存されている。

しかし、Apple製のソフトウェアで再生するときに、Appleのカラーマネジメント(フィルタ)を通過するために、色が変わる(結果、色褪せて見える)。

私は専門家ではないが、要はAppleの動画再生カラーリング・プログラムが問題だということ。素人が頑張ってディスプレイのプロファイルをキャリブレーションしたり、あるいは編集ソフトの出力コーデックをいじったところで根本的な解決にはならない。

この現象・問題は、海外ではガンマシフト(gamma shift)と呼ばれていて、何年も前から議論されているが、完璧な解決方法はないとされている。

Apple製のソフトウェア

次に挙げたソフトウェアを使って動画再生すると、「本来の色」が表示されない。

  • QuickTime Player
  • Safari (YouTube再生でもおなじこと)
  • Final Cut Pro X
  • Finder

「本来の色」が再現できているソフトウェア

Macを使った場合を例にする。

  • Adobe Premier Pro
  • DaVinci Resolve
  • Firefox

この問題に対する私の結論と考え方

「気にするな」というのが私の結論だ。

視聴者=クライアントの再生環境(ディスプレイ、ソフトウェア、端末)はバラバラであり、仮に「本来の色」なるものが存在したとしても、再生環境によって製作者の意図や狙いから必ずズレてしまう。これは作製側ではどうしようもないことであり、調べれば調べるほど泥沼に入ってしまう。「妥協」が正解となる。

動画編集ソフトウェア内で自分が意図する色に調整したら、あとは視聴者=クライアントの環境に委ねるしかない。

音楽などでも同じことがいえる。ミュージシャンが音を作り込んだとしても、再生側の環境(イヤホン、スピーカーの能力)次第で意図する「本来の音」が再生されない、聴き取れない問題。

この問題に対する根本的な解決策は、Appleがガンマシフトの問題を解決することだろう。

最後に

ガンマシフトのような問題は、動画作成に詳しい人にとっては常識なのだろう。

私ははじめてこんな問題があるのだと知った。Appleはグラフィックに強いと信頼していたが、欠けているところもあるんだなと思った。

作成者側の意図が伝わらないということの問題の事例として、「いい勉強になった」と思うことにしたい。

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