【永久保存版】DJI Osmo Pocket 3の使い方!最も重要な設定|マイク HLG D-Log M

カメラ

DJI Osmo Pocket 3が発売されてから、2年使い込んできた。

その間に撮影で何度も試し、比較し、失敗しながら得たDJI Osmo Pocket 3の設定方法と使い方をここに全てまとめたい。

HLG >> D-Log M > ノーマル

(2025年11月追記)

D-Log MはLogではない。「ノーマル」設定と同じRec.709である。従って、DJI公式のLUTを当ててRec.709にしてもノーマル設定とほぼ同じ映像になる。

上級者が本当に使うべき設定は「HLG」である。

HLGとは「ハイブリッド・ログ=ガンマ」の略で、ログのガンマ形式を持ちつつ、SDRと互換のある規格である。

ログ=ガンマ(Log-Gamma)であるため、ダイナミックレンジを広く取れる。

HLGで撮影すると、

  • カラースペース:Rec.2020
  • ガンマ:BT.2100(HLG)
    で撮影される。D-Log Mはノーマルと同じくD-Log Mである。

つまり、D-Log Mは実はLog形式ではなく、SDR Rec.709の「ログもどき」なのだ。

論より証拠、こちらの比較写真をご覧頂きたい。

HLG
ノーマル
D-Log M(DJI公式LUTでRec.709に変換)

HLGの映像のみがダイナミックレンジを保ち、影の部分のディテールが残り、空のハイライトも飛んでいないことがわかる。

ノーマルはコントラストが強すぎる。

さらに、HLGはカラースペースがRec.2020なので、D-Log MやノーマルのRec.709に比べて圧倒的に広い色空間になっており、色調が豊かになる。

これを知るまでにものすごく時間がかかったが、DJI Osmo Pocket 3で最も重要な設定を1つだけ挙げるとすれば、私は「HLG」こそがDJI Osmo Pocket 3の映像性能を格段に上げて、映像のクオリティを大きく左右する最も重要な設定だと思う。

なお、こちらの動画でD-Log MをDaVinci Resolveを使ってカラグレする方法を説明している。

今、動画を作るとすれば、私はHLGで撮影してそれをRec.709等にCSTを使って変換するだろう。

DJI Osmo Pocket 3 設定のコツと裏技【パート1】

バッテリー残量の確認方法

基本的なことだが、撮影前にバッテリー残量を確認することは重要である。画面右上のバッテリーボタンを押すと、残量がパーセント(%)で表示される。この表示は数秒経つと自動的に消える。

5Dジョイスティックの高度な使い方

5Dジョイスティックは、単なるカメラ操作以外にも多くの機能を備えている。

  • 1回押し:アクティブトラックが有効な時に押すと、追尾を解除する。
  • 2回押し:ジンバルを素早くセンター(中央)の位置に戻す。
  • 3回押し:セルフィーモードに切り替える。

⠀そして、特に覚えておくべき機能が「長押し」である。

  • 長押し:ロックモードに入る。長押しすると画面右上に鍵のマークが表示される。押している間、ジンバルはその時のカメラの向きを強固に固定してくれる。

内蔵マイクの位置と注意点

Osmo Pocket 3には3つの高性能マイクが内蔵されている。

  • 左側面に1つ
  • 背面に1つ
  • 右側面に1つ

クリアな音声を収録するため、撮影時にこれらのマイク位置を指で塞いでしまわないよう、持ち方に注意する必要がある。

外部USB-Cマイクの活用とバックアップ設定

Osmo Pocket 3は、DJI製マイクだけでなく、他社製のUSB-Cマイクのほとんどを認識する高い互換性を持つ。
使い方は簡単で、USB-Cポートにマイクを接続するだけである。正しく認識されると、画面上部に音量インジケーターが表示され、外部マイク入力に切り替わったことが視覚的に確認できる。

重要な設定:音声バックアップ

万が一の事態に備え、設定画面から「内蔵マイクでの音声バックアップ」をオンにしておくことを推奨する。この設定を有効にすると、外部マイクで音声を録音している間も、同時にOsmo Pocket 3の内蔵マイクが作動し、別の音声ファイルとしてバックアップを記録してくれる。

スローモーション撮影の設定

印象的なスローモーション映像を撮影するには、モードメニューから「スローモーション」を選択する。
解像度を4Kに設定することで、120FPSという高フレームレートでの撮影が可能となり、滑らかで高品質なスローモーション動画を作成できる。

シネマティックな映像を撮るためのジンバル設定

映画のようなスムーズなカメラワークを実現するためには、ジンバルの動作スピードを調整することが鍵となる。

  1. ジンバルスピードの調整
設定画面から「ジンバルのスピード」を「低速」に設定する。これにより、ジンバルの動きがより滑らかになり、プロが撮影したようなスムーズな映像表現が可能となる。
  2. ジョイスティック速度の調整
同様に、設定画面の「ジョイスティック速度」も遅く設定する。これにより、ジョイスティックで手動操作する際のスピードが緩やかになり、より繊細で意図した通りのカメラワークが行えるようになる。

DJI Osmo Pocket 3 設定のコツと裏技【パート2】

撮影時のケース活用術:置き場所に困らない工夫

撮影中、意外と置き場所に困るのが付属のケースである。しかし、このケースは撮影を補助するためにうまく設計されている。
まず、ケースを逆さにし、そのまま本体を差し込む方法だ。この状態でもジンバル部分がケースに干渉することなく、正常に動作する。手持ち撮影を一時中断する際に便利である。
さらに、ケースを横置きにしても、ジンバルが地面やテーブルに接触しないよう設計されている。電源を入れたまま、少しの間テーブルなどに置いておきたい場合に活用できる。

急速充電の活用:20W以上のアダプターで高速化

Osmo Pocket 3は急速充電に対応している。この機能を活かすには、急速充電に対応したACアダプター、もしくはモバイルバッテリーを使用する必要がある。
確認した限りでは、20W以上の出力が可能な充電器を使用することで、急速充電モードがオンになり、充電時間を大幅に短縮できる。

データ転送:MicroSDカードを抜かない方法

撮影データの転送は、USBCケーブルの使用を強く推奨する。
MicroSDカードは非常に小さく、本体からの取り出しが煩わしい。データの転送の度に抜き差しするのは非効率であり、紛失のリスクもある。
付属のケーブルでOsmo Pocket 3をPCやスマートフォンに接続した後、本体の電源を入れる。すると自動的に「ファイル転送モード」に切り替わり、外部ストレージとして認識される。この方法が最も手軽で確実である。

録画のキャンセル:保存しない「撮り直し」テクニック

撮影中、「今のは失敗だった」と判断した際、録画データを保存せずに即座にキャンセルしたい場合がある。
その際は、録画ボタン(シャッターボタン)を長押しする。これにより、録画が中止され、そのファイルは保存されない。
もしこの機能が作動しない場合は、設定メニューを確認しよう。「シャッター録画ボタンを長押しすると録画をキャンセルします」という項目があるので、これをオンに設定する必要がある。

フォーカスモードの切り替え:状況に応じた最適なピント

撮影設定画面では、フォーカスモードの変更が可能だ。
デフォルトは「連続 (Continuous)」に設定されているが、撮影シーンに応じて「シングル (Single)」や、新しく追加された「製品展示モード」を使い分けることで、意図した通りのフォーカスで撮影できる。

新機能「ブレイジング補正」はオンを推奨

最近のファームウェアアップデートにより、「ブレイジング補正」機能が追加された。
この設定は、特に理由がなければオンにしておくことを推奨する。より安定した映像を撮影するために役立つ設定である。