動画編集をしていると、頻繁にRec.709という名前を目にする。
Rec.709以外にも並列されているけどRec.709でいいのか不安な方に向けて、Rec.709とは何なのかをわかりやすくまとめてみたい。
この記事を読めば、Rec.709を理解したうえで動画制作やディスプレイの設定ができるようになるはずだ。
Rec.709とは何か?
まず、Rec.709の定義をしてみたい。
Rec.709は、カラースペースの種類のひとつである。
カラースペース(色空間)は映像の色情報を表現する規格のこと。
Rec.709はカラースペースの中でも最も一般的なもので、カメラ、動画編集ソフト、ディスプレイなどで使用される。
つまり、Rec.709は映像の色情報を表現する最も一般的なカラースペースである。
カラースペースは映像を画面に表示する際に使用されるものであり、Rec.709以外の例えばRec.2020などのカラースペースのディスプレイでRec.709の映像を表示すると本来意図された色表現ができなくなる問題が起きる。
映像を視聴するディスプレイのカラースペースが決まっていないと、撮影や編集時に意図した色味と変わってしまう問題が起きる。
そこでRec.709の出番となる。
Rec.709は数年前から広く利用されているカラースペースで、カメラ、動画編集、ディスプレイなどインプットからアウトプットまで幅広く使用されているのが最大の特徴だ。
そのため、編集プロセスから実際にエンドユーザーが視聴する環境にわたって普及しているRec.709を使うことは事実上のスタンダードとなっている。
確かにRec.2020をはじめとするRec.709より広い色域を表現できるカラースペースも存在する。
しかし、Rec.2020に対応したカメラやディスプレイが普及しておらず、Rec.709がいまだにスタンダートとして利用されているのが現状だ。
まとめ
まとめると、Rec.709はカラープロファイルの一つであり、最も普及しており事実上の標準規格である。
特別な理由があって他のカラースペースを意図的に選ぶとき以外は、ほとんどの場合Rec.709を選んでおくのが正解といえるようだ。