高校生だった頃にジミ・ヘンドリクスの衝撃的なエレキ・ギターを耳にした瞬間から、私はロックが好きになった。
その後、ジャズも聴くようになったが、ジャズの花形であるサックスやピアノを差し置いて、いつも気になるのは(ジャズ)ギターだった。
ロック、ジャズのギタリストを知るうちに、最高のギタリストを見つけたいという思いが強くなった。
そして数年前、ついに自分にとって「世界で最高のギタリスト」といえる存在に出会った。
そのギタリストの名は、マーク・リボーだ。
マーク・リボーについて
Marc Ribot 1954年生まれのアメリカのギタリスト。
ニュージャージーに生まれ、ガレージバンドで音楽を開始し、ハイチ人のクラシック・ギター奏者に師事する。
1984年から89年まではジョン・ルーリーのラウンジ・リザーズに参加。その後はロック、ジャズ、クラシック、ブルース、実験音楽、映画音楽、ノイズ、ポップ・ミュージック等、ほぼ思いつく限りのジャンルでギターを演奏している。
テクニック×エモーション
先にも書いた通り、マーク・リボーはクラシック・ギターも習得しており、ギター奏法のテクニックが広く深い。
また、テクニックに溺れずにときに泥臭いエモーショナルな弾き方をするため、ギターを通して感情が伝わってくる。
一匹狼のような“フリー”ギタリスト
マーク・リボーはキャリアのはじめから現在に至るまで、徹底して「フリーランス」として活動してきた。特定のバンドには所属せず、世界中の多数のアーティストとコラボレーションし続けている。
特定のジャンルやアーティストに縛られないことで、マーク・リボーの類稀なる表現手段が進化してきたといえる。
おすすめの作品
別記事でも書いたが、まずはJohn ZornのElectric Masadaでギターを弾いている映像をご覧頂きたい。
この演奏ではマーク・リボーの魅力が存分に楽しめる。テクニックとエモーションが最高に達している熱の入った演奏だと思う。他のメンバーも素晴らしい。
このElectric Masadaの演奏が気に入った人は、Electric Masadaのアルバム“At the Mountains of Madness”を聴いてほしい。
次に、ジャズ・ギターが好きな人はぜひマーク・リボーのジャズアルバムを聴いてみてほしい。
とくにおすすめなのは、2014年に発表された「ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」だ。
Marc Ribot Trioの「Live At The Village Vanguard」をApple Musicで
トリオの演奏で、ブルースからコルトレーン、アルバート・アイラーまでのジャズの歴史をマーク・リボーのユニークな演奏でよみがえる。
NPRなど各メディアからも好評を得たジャズアルバムになっている。
下に貼り付けた動画ではブルースの曲“Fat Man Blues”をトリオで演奏する。
さらにマーク・リボーの深みにハマりたい人は、ギター一本で演奏するソロのアルバム“Don’t Blame Me”をおすすめしたい。スピリチュアルな演奏を楽しめる。
Amazon.co.jpでは入手困難なため、Apple Musicで聴くのがおすすめ。視聴可。
マーク・リボーの「DON’T BLAME ME」をApple Musicで
最後に
マーク・リボーは日本では知名度が圧倒的に低いこともあり、あえて「世界一」とタイトルにつけたが、活動中のアーティストの中では最も素晴らしいギタリストの一人だ。
2018年7月には来日するそうだから、興味のある方はぜひライブにも足を運んでいただきたい。
MARC RIBOT – マーク・リーボウ|ARTISTS|BLUE NOTE TOKYO
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