must と have to はどちらも「…ねばならない」という必要・義務・命令を意味する。
その違いを調べると「must は主観的で、have は客観的」などという説明が散見されるが、非常にわかりにくい。
must と have to の違い(より実践的な使い分け)
明治大学名誉教授マーク・ピーターセンの本を読むと以下のようにわかりやすく解説されていた。つまり…
must は「はるかに改まった、堅い感じの表現」で実際の日常生活で使うシチュエーションは極端に少ない。演説や硬い文章でしか使わない。
have toの方が使用頻度が圧倒的に高い。
つまり、mustとhave toの違いは「表現の硬さの度合い」にあるとのことだ。
また、mustには過去・未来・完了の文には使えないため、have toで補うことになる。
この「…ねばならない」という必要・義務・命令を表す否定文では、need notやdo not have toで表現する。
こういったことを考えると、必要・義務・命令を表す「…ねばならない」はhave toを使った方が自然だと覚えておいた方がいい。
mustとhave to の使用例
参考に、スティーブ・ジョブズとオバマ大統領のスピーチを調べてみた。
結果、二人ともスピーチの中でmustは使用しておらず、ジョブズが3回、オバマが19回 have to を使用していた。
例えば、スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学の卒業式スピーチでは、以下のように使用されている。
Again, you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backward. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.
Text of Steve Jobs’ Commencement address (2005)
まとめ
法律やよっぽど堅い文章を書いている人以外は、必要・義務・命令を表す「…ねばならない」はmustではなく、have toを使おう。