今年もまた「ジャズの季節」がやってきた。
暑い夏には熱いジャズを。暑い夏に辛いものを食べて汗をかくように、ジャズを聴いて体の芯から熱を発散するのだ。
この記事では、暑い夏を余計に熱くする(笑)ジャズの名作10作ご紹介したい。
ジャズのなかでもいわゆる「フリージャズ」はとくに熱くなれるので、フリージャズを多く入れた。
なお、貼り付けた曲はすべてインターネット上で視聴できるようにしてあるので、ぜひ実際に視聴していただきたい。
1. Money Jungle / Duke Ellington with Charles Mingus & Max Roach
ピアノトリオ。管楽器は入っていない。いきおいがある。この3人が揃えば、演奏が白熱するのは必至だろう。
とくにCaravanやMoney Jungleが熱い。
2. Eric Dolphy At The Five Spot Vol.1 / Eric Dolphy
ライブ盤。まずエリック・ドルフィーがものすごく熱い。トランペットのBooker LittleやピアノのMal Waldronがクールダウンしてくれるかと思いきや、さらに熱く追い討ちをかけてくる。
3. Giant Steps / John Coltrane
1曲1曲が短いため、ヒートアップはしない。しかし、短い曲がダーっと10曲くらい続くから、急な発熱とめまいの症状がでる。
4. At The Golden Circle, Stockholm Vol. 1 / Ornette Coleman
ストックホルムでのライブ。ジャケットにも雪があるからと油断するとだめだ。
ストックホルムの雪が溶けるほど熱い。
5. A Night At The Village Vanguard, Vol.1 / Sonny Rollins
ジャケットからして熱そう。中身もシンプルに熱い。
6. 直立猿人 / Charles Mingus
ジャズが全盛期だった頃の、当時の雰囲気が伝わってくる。
アスファルトから立ちのぼる喧騒と熱風。
7. Subconscious-Lee / Lee Konitz, Lennie Tristanoほか
クール派と呼ばれているけど、ぜんぜん涼しくない。
でも、演奏はじゅうぶん熱くて、かっこいい。
8. Misterioso / Thelonious Monk Quartet
セロニアス・モンクの軽やかなピアノ。そこに突如現れる熱い男、ジョニー・グリフィン(サックス)。
とくにIn Walked Budでのジョニー・グリフィンの演奏は熱すぎるし、なんども聴いてしまう真剣さがある。
9. The Super Quartet Live At Sweet Basil / Steve Lacy & Mal Waldron
Steve Lacy/Mal Waldron/The Super Quartet…Live at Sweet Basil – TOWER RECORDS ONLINE
スティーブ・レイシーのソプラノ・サクソフォンは熱くなるにつれてどんどん高く昇っていき、最後は蒸発する。
あまり知られていないけど、隠れた名作だと思う。
10. The Quest / Mal Waldron & Eric Dolphy
先ほども紹介したMal Waldronがこんどはエリック・ドルフィーといっしょになる。
緩急のある曲が並ぶ。最後の曲はFire Waltz。その名のとおり、熱いワルツで締めくくる。
11. Spiritual Unity / Albert Ayler
演奏で精霊を呼びおこすフリージャズ。火種から煙があがる演奏。
12. Naked City / John Zorn
空間と音が圧縮される熱が生じる。
13. Live at Tonic 2001 / Masada
2人が繰り広げる競争。そこには間違いなく「ジャズ」の熱さがある。
14. LIVE / 大友良英ニュー・ジャズ・クインテット
演奏はクールに、心は熱く。
15. キアズマ / 山下洋輔トリオ
山下洋輔、坂田明、森山威男のトリオによるフリージャズ。
ドイツでのライブ収録。日本人3人が当時のヨーロッパで喝采を受けていたと想像すると熱くなる。
最後に
この記事を書くために、全部のアルバムをあらためて聴き通した。
疲労してエネルギーは残っていない。
この記事を暑中見舞いとしてお届けする。