2013年から7年もMacとiPhoneでEvernoteを使ってきた。ここ数年、Evernoteの動作が重いなと感じてはいたが、他のノートアプリに移行する方法がわからずEvernoteを使い続けていた。
先日ようやくEvernoteからApple純正のメモに移行することを決意した。理由は動作速度の改善である。
この記事では、Evernoteから大量のノートをメモに移行する方法と注意点を説明し、記事の最後ではメモに移行して動作速度が改善されたか、使いやすさを含めて評価してみたい。
Evernoteからメモに移行する方法
Evernoteからメモに移行する方法は驚くほど簡単だ。
ポイントはノートブック単位で書き出すこと。ノートブックごとに書き出すことで1つのファイルにノートブック内のノートがまとまり、メモで読み込んでからの整理がしやすくなる。
Evernoteからノートを書き出す方法
- 書き出すノートブックを選択
- すべてを選択(⌘A)してノートブック内のノートを全選択
- メニューからファイル>ノートをエクスポートを選択
- フォーマットを「Evernote XML (.enex)」にして保存
メモにノートを読み込む方法
- メニューからファイル>メモに読み込む…を選択
- Evernoteから書き出した.enexを選択
- 「読み込まれたメモ」というノートブック(フォルダ)ができて、その中にノート(メモ)が読み込まれる
メモに移行して良かった点
- 425個のノート、23本のノートブックの移行が20分で完了した。
- 読み込みエラーは発生しなかった。
- ハイパーリンク、画像、箇条書き、テキストのスタイル等はEvernoteの見た目と同じように移行できた
- ノートの変更日時までEvernoteの日時が維持される。
- Evernoteよりメモの方が縦の表示面積が広い。MacBook Pro 13インチでも一画面でより多くの文字が表示されるようになった。
- Evernoteでは見出しを自分で太字+下線にしていたが、メモでは「見出し」「小見出し」「本文」などのデフォルトの機能が便利。統一感もあり、見た目もすっきりする。
- ダークモードだと見出しや太字が見えにくいためメモはライトモードがおすすめ
- 動作がサクサクになった!
メモに移行して気になった点
- リストの項目の後に空行が入ってしまうので手動で消して直す必要がある。
- 読み込んだままだとフォントが小さい(8サイズ)ため、デフォルトサイズに変更が必要。私はデフォルトのテキストサイズを環境設定から5段階中4段階目(12サイズ)にしたので、後からフォントサイズを12に変更していった。
- Evernoteで入力できた水平線はメモでは挿入できない
- タグ機能がない
メモから他のノートアプリに移行できるか?
残念ながらメモにはEvernoteのように互換性のある書き出し機能がない。
PDFで書き出せるがPDFを他のノートアプリで読み込むのはかなり困難だと思われる。メモから他のノートソフトにフォーマットを維持したまま移行することは困難になる。
結論
Evernoteからメモに移行して、移行の目的だった動作速度が圧倒的に改善した。
MacでもiPhoneでも全体的なレスポンスが良くなり、メモを開いて文章を書いたり画像を貼り付けて編集するという基本的な動作が感動するほど速くなった。
大きな問題もなく短時間でデータをそのまま移行することができた。メモでEvernoteのファイル(.enex)を読み込めるのがポイントだ。AppleがEvernoteユーザーをメモに移行させる気があるのは間違いない。
Evernoteからの移行先としてUlyssesやBearなども検討したが、有料になっている。動作が速くてサクサクとノートを書きたいなら、高機能よりシンプルな方がいいとEvernoteを使って思った。メモなら無料で使えるし、無駄な機能がなくてシンプルだ。
Evernoteは文章を書くためというよりは、テキストや画像を保存しておくスクラップブックのように使っていた。なぜなら文章を書くことすら重くて使いにくかったからだ。だから保存場所としてとりあえずノートはなんでもEvernoteに放り込んでいるだけだった。
しかし、メモに移行してからは、サクサクと文書を直接入力できるようになり、本来のノートブックとして使えるようになった。メモは数年前に登場したときの、機能が少なくて使えない印象があった。しかし、私の知らぬうちに進化していたようだ。
Apple純正だけあってデザイン的にも美しくなり、メモでノートを書くのが快適で楽しくなった。
最後に
Evernoteには長年お世話になった。思い返せば日本でも2013年〜2016年ごろにEvernoteブームがあった。それ以降、Evernoteはノートアプリの定番として君臨してきたが、機能を詰め込みすぎたせいか、重たいソフトになってしまったのかもしれない。
Apple製のソフトは例えば動画編集ソフトFinal Cut Proなども他のAdobe製の動画編集ソフトよりもMacでの動作が軽快なのは間違いない。やはりApple製のMacやiPhoneで使うならできるかぎりApple製がいいのかもしれない。
Evernoteに感謝しつつ、今後はメモを使って快適にノートを管理していきたい。