SpotifyとAppleMusicを比べた場合、価格や曲数はほぼ同じ。
選ぶとすれば「どちらが好きか」というような感覚で決めていいと思う。
SpotifyもAppleMusicも3ヶ月の無料お試し期間がある。どちらを使ってみるか迷っている人はお試し期間に決めればいい。
SpotifyとAppleMusicのどちらを選んだにせよ、あとから解約して乗り換えることも簡単だ。
実は「SpotifyかAppleMusicか?」という二者択一は実は大して重要じゃないと思っている。
本当の問題
本当の問題は、音楽ストリーム配信サービス(SpotifyやAppleMusic)に今後はお金を払って使い続けていくべきか、それとも個別に楽曲(CDやMP3等)を購入していくか、というスタイルの選択だ。
もっと言えば、音楽はどこにお金を払えばいいのかという問題だ。
例えば、いますでに手元に(膨大な)楽曲ライブラリがある人はどうすればいいだろうか? こういう人はSpotifyの無料ユーザーを続けながら、買いたい音楽は個別に購入する、というのも一つの選択肢だ。
いまだにSpotifyやAppleMusicに登録されていないアーティストや楽曲もまだまだ存在することを忘れてはならない。
コアな音楽ファンほど苦渋の選択を迫られている。
Pitchforkの提案
音楽レビューサイトPitchforkは2018年7月に「Spotifyの時代に音楽ファンであることの責任について」という動画を発表した。
これによるとSpotifyのトップ10%の楽曲がストリーム再生の99%を占めている。つまりほとんどの楽曲は1%以下しか再生されていない。
再生回数が少なければアーティストや製作者への報酬が下がる。Spotifyによってマイナーなアーティストにも陽が当たると思いきや、実はメジャーな楽曲にますます再生が集中している状況があるようだ。
この動画で提案されるオルタナティブは、ライブハウス、クラブなどに音楽を聴きに行ってお金を使うこと。楽曲情報(作詞者、作曲者、レーベルなど)を記載してシェアすること。
だけどSpotifyやAppleMusicのおかげで、知らなかったアーティストを知ることができ、ライブにも行ったということも起こりうる。音楽ストリーム配信によって音楽の経済システム全体が活性化していることは間違いない。
最後に
SpotifyとAppleMusicの無料お試し期間をそれぞれ3ヶ月終えた後の感想を書いてみた。
音楽ストリーム配信を購入しようと決めた人は、SpotifyとAppleMusicのどちらを選んでも大きな差はない。解約や乗り換えも簡単だ。
特にいままで楽曲をCDやMP3などで購入したことがなく、YouTubeで音楽を聴いてきたような若い世代には音楽ストリーム配信がぴったりだ。
ただし、個別に集めた楽曲ライブラリがすでにある人、あるいはコアな音楽ファンはいまは待つべきときかもしれない。Spotifyの無料会員、YouTube、SoundCloudなどのサービスを併用することもできる。
あるいはPitchforkが提案するように、ライブに行ってお金をアーティストや関係者へ直接支払うこともいい。
遅かれ早かれ「音楽ストリーム配信」という流れがすべてを飲み込むとしても。
そして「音楽ストリーム配信」の次には『フリー』の世界が待っていると信じたい。