”Infinite Jest” David Foster Wallaceを読んだ感想とあらすじ要約

“Inifinite Jest”(1996)David Foster Wallaceに登場する人物はみな健全に病んでいる。

誰もがみな何かに依存し、何かの依存から逃れようと試みている。

序盤はコミカルな作風で読みやすく感じるが、読み進めるうちに喜劇的な仮面を突き破ってあふれだす「悲しみ」の激流に飲み込まれてゆく。

Infinite Jest『尽きない冗談』のあらすじ

近未来のアメリカが主な舞台となる。

作中では年号が西暦ではなく、スポンサーとなって出資した企業の製品名をとっている(例:大人用おむつ年)。

以下の3つの組織のメンバーとその活動を中心に物語は緻密に描かれる。

  1. テニスアカデミー(ETA)で生活する青少年
  2. 薬物・アルコール中毒者治療施設エネットハウスのスタッフと患者
  3. ケベック独立運動をする車椅子の派閥(AFR)

物語で重要な登場人物となるのは、インカンデンザ一家の父ジェイムズと母アヴリル、その息子オリン、マリオ、ハルの3兄弟。

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大きなテーマとしては薬物・アルコール中毒とそこからの回復が挙げられる。

青少年は孤独や不安感に苛まれ、現代社会が生んだ様々な種類の物質に依存している。

Infinite Jestは『ハムレット』に登場する台詞であり、作中に登場するジェイムズ・インカンデンザが制作した映画のタイトルでもある(別名ジ・エンターテイメント)。

その作中映画Infinite Jestを観た者はあまりの面白さに一切の活動を止めやがて死へと至る恐ろしいカルト映画。

映画Infinite Jestの存在は冗談に過ぎないとも囁かれる一方ケベック独立派はマスター版を略奪して複製版をアメリカ中にばら撒く犯罪を計画している。

こうして映画Infinite Jestの存在によって3つの組織は交錯してゆくことになる。

Infinite Jestと名付けられた本作品もまた作中映画と同じく終わりなき冗談を流し続ける。

Infinite Jest『尽きない冗談』を読んだ感想

作品の序盤はコミカルでパロディ的なエンターテイメント要素があり読みやすく感じる。

しかし読み進むにつれ、すべての登場人物が抱える悲しき闇の奔流に飲み込まれる。

大人は倒錯した姿で描かれ、青少年へ依存を継承させる。

こうして社会全体が病んでいきディストピアな世界が現れる。

文体、円環構造、ページ数などの多くの類似点から現代版『ユリシーズ』と呼べる超大作であり問題作。

もしInfinite Jestをこれから読もうと考えている方にはぜひ登場人物のDon Gatelyに注目して読んでみて頂きたいと最後に言い残させて頂きたい。

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